教えて!沖縄のシンボル「シーサー」ってどんな意味?置き方や向き・種類まで徹底解説
更新:2022/07/15
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琉球王国の時代から作られてきたシーサーは、沖縄の守り神であり、沖縄カルチャーのシンボルとして親しまれている存在です。沖縄の街を歩けば、屋根や門柱の上に大小様々なシーサーが乗っている光景を見ることができます。本記事では、シーサーが辿ってきた歴史や自宅に設置する意味、シーサーの置き方や種類、さらにシーサー作りが体験できるスポットまで、一挙にご紹介します。
シーサーってどんなもの??
シーサーは、沖縄の魔除けや守り神として知られる像です。大きな口とギョロッとした目、そして口の中に生えたキバが特徴的ですよね。その表情には迫力がありますが愛嬌も感じられ、置物やキーホルダー、ステッカーといったシーサーグッズは沖縄土産の定番となっています。
シーサーのモデルは、古代オリエントやインドで権威や強さの象徴として扱われた獅子、つまりライオンです。作られた年代や使われる素材によって色や表情、大きさに違いがあり、威厳のあるものから可愛いものまで、様々なシーサーを見ることができます。
色は素材の色合いを生かしたものが主流ですが、お土産用には鮮やかに絵付けされたタイプも。好みで選んだり、風水と関連付けて選んだりすることができます。
素材は、かつては石や陶器で作られるのが主流でしたが、現在ではコンクリート製のものや金属製のものもあります。沖縄の住宅の屋根に乗っている赤いシーサーは「赤焼」または「荒焼」(あらやち)といい、もっともポピュラーなタイプです。
シーサーの歴史や由来
シーサーのモデルとなった獅子が古代オリエントからシルクロード、中国を経て沖縄へと伝わったのは、13世紀から14世紀頃だといわれています。「シーサー」という名は、「獅子」を沖縄の言葉で発音したもので、八重山地方では「シーシー」ともいいます。
記録に残っている中でもっとも古いシーサーは、1689年に設置された「富盛の石彫大獅子」です。県南部の八重瀬町に現存し、沖縄県の指定有形民俗文化財にも指定されています。
権力者のシンボルや集落の守護のために設置されていたシーサーが一般家庭の屋根に置かれるようになったのは、明治以降のことです。もともとは1体で設置するものでしたが、2体が対になっているタイプも多く見ることができ、こちらは仏教や狛犬の影響を受けているといわれています。
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シーサーにオスメスはあるの?
2体1対のシーサーは、一般的に、向かって右側の口を開いている像がオス、口を閉じている左側の像がメスだといわれています。とはいえ学術的に定義されているわけではなく、単なる俗説という見方もあり、断定できるわけではありません。
シーサーが口を開いている像と閉じている像で1対となっているのは、中国仏教や陰陽五行説の影響を受けて「阿吽」をセットにするようになったからだといわれています。このことから、「阿」は「陽」でオス、「吽」は「陰」でメスという見方が広まったというのが一般的。また、口を開けているのは悪霊や魔物を追い払う、口を閉じているものは幸福を逃がさない、と紹介されることもあります。
シーサーにも種類がある!?
シーサーは「宮獅子」「村落獅子」「家獅子」という分類がされていて、それぞれ特徴や役割が異なっています。
「宮獅子」は、琉球王国に関わる施設に設置されたもののことです。1501年に尚真王によって築かれ、2000年には世界遺産に指定された「玉陵」にある輝緑岩のシーサーもそのひとつ。宮獅子は、身分の高い人の力を示すために作られました。
「村落獅子」は人々が暮らす集落全体を守るために、村の入口や高台に置かれるシーサーです。
「家獅子」は住宅用のシーサーで、家の魔除けや守護のために設置されます。家獅子が普及したのは、明治期に庶民に赤瓦の使用が認められてからのことです。沖縄に出かけたら、街中にあるシーサーを観察してみるのもおもしろいですね。
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シーサーの置き方
シーサーに決まった置き方はありません。2体セットで置かなくてはならないという説もありますが、シーサーが魔除けとして広まる発端となった「富盛の石彫大獅子」は1体です。外からやってくる魔物を追い払うためのお守りですので、自宅の外や災いがやってくる方角へ向けるといいでしょう。魔除けのために鬼門に設置する人もいます。
■門柱へ置く場合
門柱の上はスペースが限られているので、比較的コンパクトなデザインの座った姿勢をしているシーサーがおすすめです。雨や風にも耐えられる陶器や石などの素材を選んでください。2体1対のシーサーを両側に設置する場合は、向かって左に口を閉じている像、右に口を開いている像を置くのが一般的です。
■玄関に置く場合
沖縄では人が通る道は魔物も通るといわれているので、人の出入りする場所に外向きに設置するのがおすすめです。
シーサーづくり体験ができるオプショナルツアー
【沖縄本島】シーサー作り or 絵付け体験 シーサーパーク琉球窯で、自分だけの守り神を作ろう!
「シーサーパーク琉球窯」では、素焼き・陶器・漆喰など、様々な風合いのシーサー作りや絵付けを楽しめます。見本を見ながら作っていけるので、造型にこだわりたい人も大満足!すでにできあがっているシーサーに色や模様を付けていく絵付け体験なら、小さな子どもや工作に自信がない人でも楽しめますよ。好きな柄やモチーフを取り入れて個性を発揮しましょう。
【沖縄本島】陶器シーサー作り 粘土選びから手がける本格体験!思い思いのオリジナルシーサーを楽しもう(沖縄ドリンク付)
素材にもこだわってみたい人には、粘土を選べる「Atelier43」のシーサー作り体験がおすすめです。素材を沖縄の赤土と白土から選んで、いざチャレンジ!座った姿勢のシーサーだけでなく、伏せをしているシーサーや顔だけのタイプも作れます。同じデザインのシーサーでも、赤土と白土では雰囲気ががらっと変わりますよ。トロピカルドリンクも付いてきます。
【宮古島】陶芸体験 宮古島の土でオリジナルシーサーや器を作ろう!雨でも体験OK
宮古島にあるこちらの工房では、宮古島の土を使ったシーサー作りや器作りが楽しめます。離島ののどかな雰囲気の中での体験は、ひと味違った魅力がありますよ。室内型のアクティビティですので、万が一雨が降っても予定を変える必要はありません。開始時間を選べるので、沖縄本島からの日帰り観光プランにもOK!
沖縄にある有名なシーサーをご紹介
富盛の石彫大獅子
「富盛の石彫大獅子」は、八重瀬町富盛にある、記録に残っている中では最古のシーサーです。設置されたのは1689年のこと。村内に不審火が続き、その原因が八重瀬岳にあるとされたことから、火を除けるために作られました。
高さは141.2cmもあり、集落を守る村落獅子として最古かつ最大のものとして知られています。現在は沖縄県の指定有形民俗文化財となっていて、作られた当時と変わらず八重瀬岳に向かってたたずんでいます。
残波大獅子
「残波大獅子」は読谷村の「残波岬公園」にあります。こちらのシーサーは、高さ8.75m、長さ7.8mという日本一のビッグサイズ!読谷村がかつて中国との交易で栄えたことを伝えるために1985年に制作されたもので、中国の方向を向いています。
その大きさと天に向かって吠えるようなポーズは迫力満点で、撮影スポットとしても人気です。
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