神社【正しい参拝方法】とお参り「手順」・参拝時間など「Q&A」まとめ
更新:2021/08/31
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目次
※新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、参拝時間の変更など、神社によって異なる対応がとられています。手水舎や鈴の使用禁止、ひしゃくを使わずに蛇口(流水)での手洗いで代用するなど、それぞれの神社で決められたルールを守りましょう。また、外出時にはマスクの着用や手指消毒などを心がけてください。
初詣など神社にお参りをするとき、「お祈りは何回手を叩けばいいんだっけ?」や「手水てどうやるの?」と思ったことありませんか?そんな疑問を解決!この記事を読めば参拝マスターになれること間違いなし!お参りの基本情報からQ&A、知っておくと良い情報までまとめました。正しい参拝方法でお参りをしたら、願いが叶いやすくなるかも!?
神社でのお祈りは《二礼二拍手一礼》
神社をはじめ、神前で神様にお祈りを捧げることを「拝礼」と言います。拝礼には決まった作法があり、基本となるのは「二礼二拍手一礼」です。まずは正しい拝礼の仕方を手順に沿って紹介します。
【二礼二拍手一礼の作法】
1.二礼
神様の前に進んだら背筋を伸ばして姿勢を正し、深いおじぎ(礼)を2度繰り返します。このとき背筋を曲げずに伸ばしたままにすることを意識し、腰を90度に折るようにしましょう
2.二拍手
二礼を終えて顔を上げたら、胸の前で1度両手を合わせてください。そこから肩幅を目安に両手を開き、パンパンと2度打ち鳴らします。神様に届くよう、いい音を鳴らすことを意識します
3.お祈り
手のひらを合わせ、心を込めてお祈りを捧げましょう
4.一礼
お祈りが終わったら両手を下ろし、腰を90度に折って一礼をします
以上が二礼二拍手一礼のやり方です。それぞれの動作に心を込め、願い事が神様に伝わるよう、真剣な気持ちで臨みましょう。なお、多くの神社ではこの方法が正式とされていますが、場所によっては違う作法で行う場合もあります。たとえば島根県の出雲大社における正式な参拝作法は「二礼四拍手一礼」です。
参拝客の多い神社や特別な作法がある神社では、境内に参拝方法が掲示されていることが少なくありません。忘れてしまったときや確認しておきたいときは、拝礼の前にチェックしておくといいでしょう。
ちなみに、寺の場合は《一礼合掌一礼》
神社と寺では参拝作法が異なります。大きな違いは、寺では柏手(拍手)を打たないことです。寺に参拝するときに基本となる「一礼合掌一礼」について解説します。
【一礼合掌一礼の作法】
1.一礼
仏様の前に進んだら、背筋を伸ばしたままの姿勢で腰を折り、1度深くおじぎをします
2.合掌
顔を上げ、胸の前で静かに手のひらと手のひらを合わせて合掌
3.祈る
合掌したまま気持ちを落ち着かせて題目や念仏、真言を唱え、祈願しましょう
4.一礼
祈願を終えたら両手を下ろし、始めと同じように背筋を伸ばした姿勢で腰を折り1度おじぎをします
寺の場合は宗派によって唱える題目や念仏、真言が異なります。たとえば、浄土宗や浄土真宗では「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」、真言宗では「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」です。寺に参拝するときは、宗派やご本尊にも注目してみましょう。
なお、寺の敷地内に神社があったり、寺と神社が隣接していたりするところもあり、ときには「ここは神社なのか、それともお寺なのか」と迷ってしまうことがありますよね。
神社で祀られているのは神様、寺は仏様という違いがありますが、鳥居の有無やおつとめされている方の服装(神社の神職は袴、寺のお坊さんは袈裟)で見分けるのも1つの方法です。ただし少数ながら昔の名残で鳥居がある寺も存在するので、不安なときは尋ねてみましょう。
では、門をくぐるところから、流れにそって説明します。
①鳥居をくぐる時は一礼をし、真ん中を避けて端を歩く!
神社にある「鳥居」は、神域(神様の領域)と俗界(世俗の人が暮らす場所)を区別するためのものです。鳥居の内側は神様の住む神聖な場所だと心得ておきましょう。鳥居をくぐる前に一礼するのが丁寧な作法です。ただし拝礼のときのように深々とおじぎをする必要はありません。会釈で十分です。
鳥居をくぐったら参道を歩いて社殿に向かいます。このときは参道の中央を避けて端を歩きます。参道の中央は神様の通り道であり、正中(せいちゅう)と呼ばれる1番の上座でもあるからです。参道の端を歩くことは、神様を敬う気持ちのあらわれだと言えます。
ただし、参道を横切らなくてはいけないときは横切りながら会釈をする、中央で立ち止まり神様の方へ向かって礼をする、といった作法で敬意をあらわしましょう。
②手水舎で手と洗い、口をすすぎ、身と心を清める
鳥居をくぐったら、本殿や拝殿に行くまでの間に「手水舎(てみずや)」に立ち寄ります。手水舎は手と口を清めるための場所で、ここで身を清めることを「手水をとる」と言います。手水の正式な作法を覚えておきましょう。
【手水の作法】
1.備え付けられているひしゃくを右手で持ちます
2.水盤から水を汲み、まず左手を清めます
3.ひしゃくを左手に持ち替え、右手を清めましょう
4.もう一度ひしゃくを右手に持ち、左手の手のひらに水を溜めます
5.左手に溜めた水で口をすすぎます
6.もう一度左手を清めましょう
7.最後にひしゃくの柄(持つ場所)が下になるように垂直に立て、残った水で柄を洗い、元の場所に戻します
ポイントは口をすすぐときにも手のひらに溜めた水を使うこと。ひしゃくに直接口をつけてはいけません。一連の動作をひしゃく一杯分の水で済ませられるよう、最初に水を汲むときは多めに汲んでおきましょう。また、あらかじめハンカチやタオルなど手や口元を拭くものを準備しておくとスムーズです。
③お賽銭箱の前に立って、お賽銭を投げ入れる
お賽銭とは、願い事を叶えてもらうための対価のように考えがちですが、本来は神様への感謝をあらわすために納めるものです。お賽銭の起源には諸説ありますが、お米を白い紙に包んだ「おひねり」を供える代わりに用いられるようになったという説がよく知られています。
お賽銭には硬貨を用いることが多いものの、紙幣でも構いません。金額にもこれといった決まりはなく、感謝の気持ちとしてふさわしい額を納めることが大切です。高額なお賽銭を納めれば願いが叶いやすくなる、といったこともありません。
お賽銭の金額を決めるときによく用いられるのが、「5円玉はご縁がある」「25円を納めて二重にご縁」など、語呂合わせで縁起をかつぐ方法です。これらの語呂合わせは、公式に発表されている情報ではありません。あくまでも個人の好みの問題なので、自分の気持ちを優先しましょう。
お賽銭にお金を入れないでお祈りだけするのはダメなの?
お賽銭はあくまでも気持ちのものであり、お金を入れなくても問題ありません。お賽銭箱が置かれていない神社もあります。持ち合わせがなければ、そのぶん気持ちを込めてお参りしましょう。「小銭を持っていない」という理由で参拝をあきらめる必要はないのです。
④鈴を鳴らして二礼二拍手一礼をし、お祈りをする。
神社によっては、お賽銭箱のほぼ真上に大きな鈴が吊るしてある場合があります。お賽銭を入れたら、鈴から垂れ下がっている荒縄や布(鈴緒)を振って鈴を鳴らしましょう。
そのあと二礼二拍手一礼の作法で参拝します。このときの礼や拍手は、神様への感謝や神様を敬う気持ちをあらわします。省略したり手抜きをしたりせず、きちんとした作法を心がけることが大切です。
神社でのお祈りというと、「試験に受かりますように」「事業が成功しますように」「よいご縁に恵まれますように」など願い事を伝えるものだと考えがちですが、もっとも大切なのは神様への感謝を伝えることです。日々平穏に過ごせていることや、神様に見守っていただいていること、神社を訪れ神様に参拝できたことに、まず感謝しましょう。
そのうえで「勉強に励みます」「真面目に一生懸命働きます」といった誓いを立て、それを神様に応援していただきたい、がんばる姿を見守っていただきたいという気持ちで願い事を唱えます。
願い事を唱えるときに住所も言わないといけないの?
神様の前で願い事を唱えるときは、自分の氏名を名乗り、住所を伝えるとよいと言われています。これは神様へのごあいさつの一環であり、特に初めて参拝する神社では意識しておくとよいでしょう。子どもの受験合格や家族の病気平癒など他者のために参拝するときは、対象となる人の氏名や住所もお伝えします。
⑤帰るときも鳥居をくぐってから《一礼》
二礼二拍手一礼で参拝を終えたら、次の人へ順番を譲ります。神社を訪れて最初にすることは本殿への参拝で、摂社や末社を巡ったり、ご朱印や授与品をいただいたりするのはその後です。ご朱印は参拝した証として頂戴するものなので、順番を間違えないようにしましょう。
参拝を終え神社の境内から出る際も、気をつけたい作法があります。鳥居をくぐって神社の外へ出たら振り返って社殿の方へ向き直り、一礼しましょう。ここでは神様の神聖な領域に「お邪魔して失礼しました」という謙虚な気持ちと、無事参拝を終えられたことへの感謝の気持ちを持つことが大切です。
ここまでで紹介したように、参拝には決まった作法があります。しかし慣れていないと動作を正しくこなすことだけにとらわれすぎてしまい、肝心な感謝の気持ちを忘れてしまいがちです。神様にお参りするときは、何よりも、心が大切であることを覚えておきましょう。
疑問に思ってた!Q&A
神社を参拝するときには、なるべく神様に失礼がないようにしたいものですよね。よくある疑問に答えます。
お参りする時間は何時でもいいの?
神社には、24時間いつでも参拝できるところと、境内で参拝可能な時間があらかじめ決められているところがあります。たとえば三重県にある神宮(伊勢神宮)や東京都の明治神宮は季節によって参拝可能な時間帯が変わり、時間外は入ることができません。
こういった神社には参拝可能な時間内に行くようにしましょう。一般的には日没の夕方ごろに閉まるケースが多いものの、島根県にある出雲大社のように比較的夜遅くまで参拝できるところもあります。
また、神社の境内は24時間出入り可能であるものの、公共交通機関が早く終了してしまう、駐車場が昼間しか営業していないなどの理由で、夜間は行きづらい神社も少なくありません。さらに、24時間参拝できる神社でも授与所や社務所は開いている時間が決まっています。
お守やご朱印を授けていただきたいのであれば、その時間に合わせて参拝するといいでしょう。お参りする時間は、それぞれの神社のルールを守ったうえで、個人の「参拝したい」という気持ちや信仰に従うのが一番です。
神社はいくつも参拝していいの?1か所に絞ったほうがいい?
複数の神社に参拝することに関しては、問題ありません。「三社参り」(初詣に3つの神社を巡ること)のように、複数の神社へお参りする風習が根づいている地域もあります。
そもそも多くの神社には「摂社」や「末社」があり、複数の神様が祀られています。神様はそれぞれ担う役割が違うため、ケンカをすることもありません。複数の神社に参拝する・しないはあくまでも個人の自由であり、各々の信仰や考えに基づいて行動しましょう。
服装はなんでもいいの?
鳥居をくぐるときに一礼するように、服装でも神様に対する敬意をあらわすのがもっとも望ましいと言えます。キャミソールやチューブトップといった露出の多い服装や、短パン、ジャージなどの軽装は避けましょう。
特に社殿に上がって御祈祷を受ける際は、男性ならジャケットにネクタイ、女性ならスーツやフォーマルなワンピースといった神様に対して失礼のない服装を心がけます。
靴に関しては、装いに合った革靴などを選びましょう。神社の境内は砂利や砂地であることも多く、カジュアルなサンダルは礼儀の面のみならず歩きにくいという点からも避けたほうが無難です。
何回も参拝をすると願い事が叶いやすくなるの?
日本では古くから、お百度参りという風習があります。神様にお願いを聞いてもらうために1日100回または100日間お参りをすることで願いが成就すると言われていますが、これは何度も神社に通うことによって神様と顔なじみとなり、お願い事の切実さが伝わって、願いが聞き入れやすくなるという考えに基づいているものです。
ただし、毎回いろいろな願い事をするのでは意味がありません。真摯に自分の心と向き合う中で、繰り返し同じお願いをすることが大切です。もちろん、何度も通えない場合でも、1回の参拝を丁寧に一心に行うことで、神様に本当の願いが届きやすくなるでしょう。
知っておくと良い+α情報
神社に参拝するときは、作法の意味やいわれを知っておくことで、より充実したすがすがしい気持ちでお祈りすることができます。神社を参拝するときに役に立つ情報も紹介します。
おみくじの扱い方
おみくじは引いた人の運勢や吉凶を占うものです。引いたあとのおみくじの扱い方については、特に決まりがありません。神社の境内にある所定の場所に結ぶ、持ち帰って保管する、財布の中に入れておくなど、好みの方法で扱いましょう。大切なのはおみくじの内容を神様からのメッセージとして受け止め、日々の戒めとすることです。
おみくじを境内の木に結ぶ人もいますが、樹木の保護のために木に結ぶことを禁止している神社もあります。ルールが定められている場合は従いましょう。
拝礼時に鳴らす鈴の意味
お賽銭箱の真上に釣られている大きな鈴は、参拝者に神様を敬う気持ちをもたらすと同時に参拝者自身を祓い清めるためのものです。
また、神様に祈願する前の合図だとも言われています。鈴には魔除けの力があるとされ、神社ではご祈祷をはじめとする神事の際にも鈴を鳴らします。お守や絵馬をはじめとする授与品に鈴が用いられるのも、同じ理由からです。
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