旅先で仕事

5分で理解【ワーケーションとは?】リモートワークとの違い、「メリット」「デメリット」、給与・経費の問題を徹底解説

更新:2021/08/16

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新しい生活様式の中で、政府が掲げた【ワーケーション】。普段の職場を離れ、リゾート地で仕事をする、新しい旅のスタイルとして大注目されています。でも本当にワーケーションできるの?勤務上の問題がいろいろありそう…その疑問に答えます。

労働×休暇!?ワーケーションとは

ワーケーションとは、ワーク「仕事」とバケーション「休暇」を掛け合わせた造語。仕事をしながら休暇を取ったり、休暇を過ごしながら仕事をしたり…つまり、仕事と休暇の相反する2つの事を同時にしてしまおうということです。はたしてワークとバケーションを両立することなんて、ホントに出来るのでしょうか?

旅先で仕事

リモートワークとの違い

一般的に、リモートワークとは「遠隔勤務」のことで、上司や会社から認められた特定の場所で働く事と定義されます。一方、ワーケーションは認められた特定の場所以外でも働く事ができます。社外で仕事をすることができるという点ではリモートワークと同じですが、「ワーク」+「バケーション」という言葉の通り、ワーケーションは会社から離れた休暇中の旅先などで仕事をすることが許されている事と定義されています。

移動+宿泊は、経費になるのか?

ワーケーションをする上で気になってくるのは、お金の問題・・・移動費や宿泊費は会社が持ってくれたらラッキーですよね。しかし現実はそんなに甘くないようです。経費として会社が負担してくれるケースはごく僅かで、移動費や宿泊費は自費だということが極めて多い現状です。ただ会社によっては、リモートワークをカフェで行った際に、そのカフェ代を経費として払ってくれるケースもあるようなので、会社に掛け合ってみると、もしかしたら・・・なんて事があるかもしれません。

移動

勤務時間は、どうなるのか?

旅先にはタイムカードがないので、ワーケーションを行う人は、自分が何時間働いたのか、自己申告するしかありません。最新システムを導入することで、パソコンがアクティブな状態になっている時間を計測し、それを勤務時間とするという企業もあるようです。しかし、そういったシステムを導入するには、企業の資金力の問題もあり、なかなか難しいのが現実。ワーケーションを導入する上で、どのように勤務時間を把握するかは今後の大きな課題です。

時計

給与形態はどうなるのか?

ワーケーションを認めている企業では、“新たな給与形態”を導入する企業も多いようです。“新たな給与形態”とは、タスクの進行度で仕事の評価をされ、それによって給料が決まってくるというやり方です。何時間働いたかではなく、どれだけ仕事をこなしたかが重要になってきます。これまで、私達の給与形態は一般的に月給制や年俸制でしたが、リモートワークやワーケーションの需要が増えて行く事で、こういった対応を取る企業も増えていくのではないでしょうか?

 

ワーケーションのメリット

従業員

仕事の合間に、旅行を楽しめる。

ワーケーションを行うと、仕事をして休憩を取るためにちょっと外に出ると、そこは旅先。いつもとは違った非日常の世界を楽しむ事ができます。実際に体験した方に話を聞いてみると、「すぐそこに非日常の世界が広がっているから、ちょっと外に出るだけで、かなりリフレッシュした気になれる」とのことでした。

人生の幅を広げるきっかけを与えてくれる。

毎日、遅くまで働いて、休日も家で仕事に追われている…。そんな、日頃から仕事漬けでなかなか旅行に行けないという人にとって、ワーケーションはとっても魅力的な働き方です。ワーケーションは、新たな世界を見せてくれ、人生の幅を広げるきっかけを与えてくれるかもしれません。

中には、いつもと違う環境で働くことで、「新たなアイディアが浮かんだ」という人もいるようです。旅先で働くことは、いつもと違った目線で仕事に取り組むきっかけも与えてくれるようです。

社外で仕事

 

企業

社員のストレス軽減。

社員が旅先でリフレッシュできることで、社員のストレス軽減につながることは間違いありません。さらに、いつもと違った環境で働くことで、社員は新鮮な気持ちで働くことができます。前述しましたが、ワーケーションを利用することで、社員がこれまでにない発想やアイディアを提示してくれるなんてことも増えるかも。

 

ワーケーションのデメリット

従業員

休暇と仕事の切り替えがうまく出来ない。

仕事の事を考えすぎてしまって、全然休暇が楽しめないといったケースや、あまりに休暇が楽しすぎて、お酒をたくさん飲んでしまい、次の日全く仕事が手につかなかったなど…失敗してしまったというケースも実際にあるようです。

企業

システム作りや、勤怠管理の見直し。

新しい制度を導入することは、企業にとってたやすいことではありません。ワーケーションを導入するためには、システム作りや勤怠管理を改める必要が出てきます。企業体制も大きく関わっており、費用も多少かかってくるでしょう。

それぞれの企業が、「ワーケーションを行うことでどんなメリット、デメリットが出てくるか」を正しく判断し、導入すべきかどうかを決める必要があります。

オフィス

 

ワーケーションは、実際にできるの?

筆者が街でワーケーションについて聞いてみると、「やってみたい」けれど、実際には「やったことがない」と答える人が多い印象でした。看護師さんやショップの店員さんなどは、職場に行かなければ仕事が成立しないので、ワーケーションはできません。また、会社に言い出せないという人も多いようで、実践出来ている人はまだまだ少ないようです。

会社を経営する側の方に話を聞いてみると、「現代ならではの働き方でいい」という肯定的な意見がある一方で、「ほんとに仕事やってるのかな?さぼっちゃうんじゃないの?」という否定的な意見もでてきました。

企業では実際にJAL(日本航空)グループが、2017年7月よりワーケーションの導入を行っています。

はてな

 

みんなはどう思ってる?ワーケーションへの意見

ワーケーション賛成派の意見

ワーケーション反対派の意見

 

ワーケーションにおすすめの場所・ホテル

近年では各地のワーケーションを受け入れる自治体が集結し、「ワーケーション自治体協議会」というのが発足されています。“移住未満・観光以上”の受け入れを行うべく、様々な取り組みが行われているのです。中でも、和歌山県や長野県では、コロナウイルスの影響でワーケーションが注目される前から、この取り組みに力を入れてきていました。

和歌山県白浜町

和歌山県白浜町では、ワーケーションのための「ITビジネスオフィス」を2019年にオープンしています。プロジェクターやプリンター、無線LANなどが備わっていて、パソコンだけ持ち込めば仕事ができる環境となっています。さらに、白浜町にある南紀白浜空港のそばに、ワーケーションを行う事の出来る新たなビジネス施設を整備する方針です。白浜町では今まさに、ワーケーションのための街づくりが行われています。

和歌山県ワーケーションプロジェクト:こちら


長野県白馬村

白馬村と言えば、長野オリンピックが行われた地でもあり、ウインタースポーツというイメージを持つ人は多いのではないでしょうか?シーズンになると、国内のみならず、世界中からも多くの人々がこの町を訪れます。しかし、オフシーズンになると、町は閑散…。そこで考えられたのが、ワーケーションを行う人の集客です。ウインタースポーツで訪れる人が利用する旅館の宴会場は、Wi-Fiをはじめとするオフィス機能が完備。各旅館ごとに格安のワーケーションプランが作られ、多くの人が利用しています。

信州リゾートテレワーク:こちら


星野リゾート

ワーケーション需要を狙って、動き出したのが、星野リゾートです。OMO7旭川が企画したのは、「憧れのリモート書斎プラン」。15泊以上の長期滞在の場合、1人1泊3,000円(税、食事別)から宿泊できるというかなりお得なプランです。ワーケーションプランを実施しているホテルは増えてきていて、このようなプランを使って、よりお得にワーケーションを楽しんでみてはいかがでしょうか?

星野リゾートのワーケーションプラン:こちら


 

他、ワーケーション自治体協議会の参加自治体やワーケーションに関する耳寄り情報は、公式Facebookで随時情報を発信しているので、気になる人はチェックしてみてください。

 

【現時点】ワーケーション制度の普及への課題

「やりたい」けれど、「できない」という人が多い理由の1つが、企業側の体制が整っていないことです。
ワーケーションをそもそも認めていない企業もあるでしょうし、時間で評価を行っているため、勤怠管理が難しいという企業もあるでしょう。ワーケーションに対する企業の体制が変わっていくことで、実際にワーケーションが可能になる人も増えていくのではないでしょうか?

また前述したように、実際に仕事の切り替えができずに、ワーケーションが上手くいかないという人がいるのも事実です。自分がうまく仕事と休暇の切り替えができる人なのかどうかを把握しておく事もワーケーションを行う上で重要なことでしょう。

zima38
映像制作や執筆活動を行うフリーライター 趣味はお散歩。町の変化、季節の移り変わりには敏感でございます。

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