スウェーデンといえばテキスタイル!ボラスTextile Fashion Center®︎の見学リポート
更新:2019/12/27
2,875views
繊維産業や紡績技術で栄えるスウェーデンのボラスを知っていますか?昔からテキスタイルタウンとして有名で、今は新しい事業や繊維研究に力を入れる、北欧ファッション好きにはたまらない街なんです!
繊維産業の街ボラス
ヨーテボリからバスで1時間ほどのところにあるボラスという街。昔から繊維産業が盛んで、街を歩いていると毛糸屋さんがあったり、染色会社や紡績工場の名残が街の各所に見られたり、テキスタイル地区として知られています。
マリメッコなど、北欧プリントやファブリックは日本にも根強いファンがいますが、北欧テキスタイル好きにぜひ訪れてほしいのがこのボラスにあるテキスタイルファッションセンター®︎。
この建物、実は美術館、学校、アパレル企業が一体になった珍しい複合施設なんです。地元の大学も協力するなど、街全体で繊維開発やデザイン事業に力を注いでいます。
館内は、美術館、学校など入り口がわかりやすく分けられていて、学校やオフィスの中以外は自由に見学できます。
通常、学校といえば、パターンやデザイン、縫い方を教えることが多いのですが、この施設にはなんと布をゼロからつくる(紡績)設備まであるのだそう!
ゼロから生地を作り出すことはなかなか手間がかかることで難しく、どんなに有名なブランドでもだいたい紡績専門のメーカーに依頼することがほとんど。学校で生地を織り上げるところから勉強できるなんて、街をあげて繊維産業に力を入れているだけにさすがの設備といえます。
大人は50SEK、25才までor学生なら無料で入場できるのは福祉に強いスウェーデンならでは。館内の床の案内表示やエレベーターのデザインもお洒落なので、ぜひ回りながら注目してみてくださいね。
TEXTILE MUSEETテキスタイルミュージアム
センター内にある美術館では、テキスタイルアートや世界的に有名なデザイナーの作品などを見ることができます。この時はNina Sandströmのコスチューム展が行われていました。
Nina Sandströmは、ストックホルムのアートデザインカレッジで学んだ経歴を持つコスチュームデザイナー(公式サイトより)。コスチュームとは主に舞台衣装のことを指します。オペラや映画、CM撮影などに使われるようなものが多く、一般的には、古典的な衣装やドラマチックで現実離れした衣装がイメージです。
Nina Sandströmはダンス用の衣装も手がけるそうですが、「踊る」という要素が加わるとより技術が必要になるんだとか。一般的に洋服は、デザイン性以外に、動きやすさや伸縮性という機能性を加える場合、服作りの難易度は高くなるといわれています。
日本にいるとそれほど身近に感じませんが、ヨーロッパを旅すると、何気ない公園で音楽会や演劇会が行われている場面に頻繁に遭遇します。こういう衣装デザインや素材の技術が高くなるのもわかる気がしまます。
一般のアパレル業界でもシーズンはじめには必ず目にする生地見本を見つけました。生地見本は、どの衣装にどんな布を使うのかを記したリストのようなものです。「表地+裏地」という単純な組み合わせではないため、1着に必要な生地の枚数が普段着よりも多くて大変そうです。
展示の隙間にDIY作業スペース!
先ほど紹介した衣装展示のすぐ横にはDIYスペースが設けられていて、服作り体験ができます。ミシンは使ったことがある人も多いかもしれませんが、なんと生地をつくる織機の体験もできるそうですよ。
Try it onコーナーで実際に試せる!
映画で見たことのあるすごい衣装、着てみたいと思ったことはありませんか?このTry it onコーナーでは20世紀初頭から今日にかけて集められた、服、靴、帽子、バッグなどほぼすべてのものを試すことができます。
袖が大きく膨らんだ服やベネチアのお祭りの仮面、昔のハットなど日常では絶対に出会わないであろうものがたくさん。公式サイトでも「着てInstagramに投稿して!」と記載されていますのでぜひ試してみましょう!
特に係の人がいるわけではなく自由スペースで解放されているので、好きなだけ好きなものを試せます。写真撮影も大丈夫。
布地を近くで触って見ることができるので、レースのボリュームはこんなふうに重ねて出してるのか!こんなに重いドレス着て歌ってるんだ!みたいなことがわかっておもしろいので、時間があればぜひ試してみてくださいね。
未来に流行る!?新興デザイナーの商品が買える!
館内には、もちろんショッピングスペースもあります。それも、通常よく見る美術館併設のショップは比じゃないくらい広いショールーム。IKEAみたいです(笑)。
ここで売られているのは、まだ無名で世に出回っていない新興デザイナーの商品ばかり。新しいとはいえ全然奇抜じゃないし、日常で使えそうなものしかありません!
テキスタイルセンターでは、繊維研究や教育だけでなく、販路の拡大や新ブランドの販売システムの構築などにも力を入れているんですよ。
テキスタイルタウンなだけあり、商品はどれも発色がいいし、ちょっと触った感じも心地よいものが多かったです。買い物好き、特に服の雑貨が好きな人は爆買いする恐れがあります(笑)
そして、このショッピングスペースの脇にある珍しい形の椅子を試すのを忘れずに。コマのような形をしていてすごく不安定に見えるのですが、お尻のおさまりが妙にしっくりきてみんな爆笑しながら乗っかっています。ちょっとしたところに凝ったお楽しみアイテムがポンと置かれてるのが北欧らしい!
実はこの街、北欧ファッション好きにはおなじみのボラス・コットンの本社なんかもあり、街中に布地や服飾雑貨の店が溢れています。ぜひ時間をとって周辺も合わせてゆっくり見て回ることをおすすめします。
疲れたらカフェでひと休み
館内は、学生、オフィスワーカー、研究員と多くの人が出入りしているため大きなカフェもあります。窓が大きく、天井が高くて奥まで広い空間が続いているのでかなり居心地がいいです。ヨーテボリ市内まで戻るのに1時間かかるので、館内を見終わった後、出発前にぜひ立ち寄ってみてください。
テキスタイルセンターは、ヨーテボリから電車でも行くことができます。ボラスでお買い物する時間とヨーテボリ市内へ戻る時間を考慮して、夕方頃にはボラスを出られる時間にお出かけするのがおすすめですよ。
TEXTILE MUSEET(Textile Fashion Center®︎内)
住所Textile Fashion Center, Box 8000, S-501 18 Borås, Sweden
電話番号+46-33-35-89-50
営業時間火水金12:00~17:00木12:00~19:00土日12:00~16:00月曜定休
URLhttps://textilmuseet.se/2.24bb4fd8142301a8bcf800065.html
※休館日について
クリスマスや元旦、イースター、スウェーデンの祝日などもお休みになります。詳細は公式サイトをよくご確認ください。
- 旅Pocket 編集部
- 旅Pocket編集部です。「ポケット」に入れて持ち歩きたくなるような、見るたびにわくわくする国内・海外情報をお届けします!
AREA
地域
-
世界共通
-
国内
-
アジア
-
インド洋
-
ハワイ
-
ミクロネシア
-
ヨーロッパ
-
中南米
-
中近東
-
北アメリカ
-
南太平洋・オセアニア
-
カリブ海
-
クルーズ