旅のスパイスと冒険に。日本のサウナが苦手な人にこそ「フィンランド式サウナ」を試してほしい
更新:2022/03/11
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モイモイ(こんにちは)!フォトグラファー・物書きをしている古性のち(Twitter)です。普段は、世界中を飛び回りながら、心ときめくモノやコトをSNS中心で発信している旅人です。
先月、ひょんなキッカケから旅工房さんと「世界で1番ときめくツアーを作りたい...!」となり、「フィンランドのサウナを巡るツアー」 ができました。フィンランドのヘルシンキ、そしてサウナ都市のタンペレにツアー視察で訪れたのですが、もうこのまま住み着きたいくらいに最高な国です。本当に。そしてもちろんこのツアーも最高の出来です。
家具もコーディネートも最高に可愛すぎて100枚以上は写真撮っちゃったホテルに泊まったり...
何度も繰り返し観た映画「かもめ食堂」でシナモンロールを頬張り、カモメグッズ買ったり...(散財しました)
美しい街散歩を軽やかにスキップしながら楽しんだり...。しかも今の時期、フィンランドは昼間がぐっと長くなるので、夜21時くらいでも明るいんです!みんなダラーっと足を投げ出して、ビール片手にテラスでわいわい盛り上がっている姿を沢山みかけました。
もう、とにかくこの目を今すぐ交換して変わりに体感してもらいたいくらいに最高な旅、そしてツアーに仕上がったのですが、私の楽しみといえば「旅のスパイスになりそうなちょこっとの冒険要素」。そのちいさな冒険に一躍買ってくれたのが、フィンランド式サウナでした。
正直本当はサウナに入りたくなかった
フィンランドといえばサウナ文化。なんなら作るツアーの名前は「サウナツアー」だったので当然ツアー内容にサウナが組み込まれているのですが、実はわたし最初は本当に本当にサウナに入りたくありませんでした。
というのも、日本ではサウナに入る習慣がなかったし、朝から頑張ってしたメイクが落ちるだろうし、何よりあの息苦しさがダメ。なのにツアーの中には5つくらいサウナが組み込まれていて「うう...絶対無理だ...」と思っていました。
しかし結果1日に3箇所以上、なんなら頼まれてもいないのに勝手にリピートまでした私が保証します。
日本のサウナが苦手な方にこそ、ぜひ現地でフィンランド式を試してほしい。
今回は、私が身をもって感じたフィンランド式サウナの魅力と、何度も勝手にリピートしたフィンランド式公衆サウナ「Rauhaniemen(ラウハニエミ)」について語らせてください。
フィンランド式サウナの魅力1: 体の芯からしっとりと包まれる潤い感がたまらない
フィンランド式サウナは日本と違い「ロウリュ」というスタイル。熱々のサウナストーンの上に水をかけ、水蒸気を発生させます。その熱で部屋の温度をあげていくので、肌もしっとり潤いたっぷり。時間が経つと部屋の中の温度が徐々に下がり、空気ごと緩んでいくあの心地よさがたまりません。
「お水かけて良い?」と周りと目配せしながら、ジャーッと気持ちの良い音が響き、みんなが気持ちよさそうに目を閉じるあの空気感。心もしっとり潤います。
フィンランド式サウナの魅力2: 「湖に飛び込む」という行為の圧倒的なフェス感
日常暮らしの中で「はしゃぐ」という行為は、大人になればなるほど減っていきます。夏のフェスが盛り上がるのも、普段のリミッターが良い具合で解除されるからだろうなあと思っていて。フィンランド式サウナもまた、そのリミッターを「湖へダイブ」というスイッチでゆるやかに解除してくれます。
そう、全施設とは言えませんが(様々なタイプがある為)フィンランドではサウナ上がりにそのまま、自然の湖にダイブできる施設が数多くあります。
一面に広がる壮大な自然に、火照った体を預け、自分もその一部になる瞬間。全細胞が驚いて開く開放感。本当にたまりません。
フィンランド式サウナの魅力3: そこには暮らす人々とのリアルな交流がある
「フィンランド人はサウナで一番お喋りになる」なんて言われている通り、公衆サウナはワイワイきゃっきゃいつも賑やか。普段街中で出会うフィンランド人はシャイなイメージなのに「どこから来たの?」なんて気軽に話しかけてくれちゃうので、とっても驚きました。
ちなみにサウナの中は男女混同。若者もお年寄りも関係なくみんな楽しそうにお喋りしています。
私がサウナを好きになった一番の理由がこの、性別も年齢も超えたコミュニケーションの場になっていることかもしれません。
2日間の滞在で何度もリピートした「公衆サウナRauhaniemen(ラウハニエミ)」
その中でも一番私が心奪われた公衆サウナが都市タンペレの、湖畔にある公衆サウナRauhaniemen(ラウハニエミ)。どんな場所かさらりとご紹介させてください。
ラウハニエミへはタンペレの町からバスで20分ほど。この看板が目印。
都心からたったこれだけ離れただけで完全に森の中。森林浴したくなったらすぐに行けるって、国民の幸福度が高いのも頷けます。
森を抜けてサクサク歩いていくと、大きな大きな湖!そしてその湖畔に見えるのがラウハニエミです(写真では右の奥の方に写っている)。最高以外の何者でもない。
右がサウナ小屋、左が湖へそのまま飛び込める階段と飛び込み台(私が訪れた時は、飛び込み台はお休み中でした)があります。
サウナ小屋は二手に分かれているので、混雑時も安心。水着やタオルのレンタルはないので忘れずに持参しましょう。更衣室やシャワーもちゃんと用意されています。
毎日更新される湖の温度。この日は8度でした。「えっこんなんで入るの...?」と思って見ていましたが、みんなどんどん入る!寒さよりも、飛び込む開放感の方がワクワクが勝るんでしょうね。
私も水着に着替えていざサウナへ。温まった水滴が天井から滴るので、熱から頭を守るために「サウナハット」をかぶります。(これはヘルシンキで購入可!)もちろん、持っていなくとも全然楽しめるのですが、被っていると「良い柄だな!」みたいに話しかけてくれるので、コミュニケーションのアイテムとして持っていくとより楽しめる気がしています。
ここから15分ほど温まる→外に出る→湖に飛び込む→ベンチでお喋りする→サウナに入る、の永遠ループのはじまりです。
泳ぎだす人、あまりの寒さに逃げ帰る人、足まで浸かったものの飛び込む勇気が出ない人などさまざま。見ているだけでも楽しい。
このループが楽しくて、他の場所の観光も忘れて何時間もいられてしまう。すれ違いざま「また後でサウナから上がったら話そうぜ!」と声をかけてくれる人も。
サウナ上がりはビールできりりと。この日はちょっと寒かったけれど、夏場は最高ですね...。想像しただけで戻りたくなる...。
そのまま周辺をお散歩。ぽかぽかの体に、新緑の匂いと湖のそよそよした風が運ぶ幸せのアドレナリンが骨の髄まで沁みわたります。
街に戻ったら軽めの(?)ブランチでお腹にも幸せを注入。この一連の「フィンランド式サウナ」というエンターテイメントにハマってしまい、この後もいそいそと町中のサウナに足を運びました。
ツアーって自分の選択肢と価値観が広がるんだ、と素直に感動した
基本、私の旅は自分で宿を取り、航空券を取り、現地での過ごし方を決める「自力で行く」旅人冒険スタイルがほぼです。当然私の好きな場所ばかりに行く事になるので、それ以上の「何か」に出会う事はあまり多くありません。
だけれど今回、ツアーコースをなぞりフィンランドを旅した為、一人では絶対に訪れる事はなかったであろうフィンランド式サウナに出会い、苦手だったサウナを絶対にもう一度訪れたい場所に変えてくれました。自分の価値観と選択肢が広がった事に、素直に心が震えました。
私と同じく「サウナが苦手だよ」という方、ぜひ騙されたと思って一度体験してみてください。今まで固く閉ざされていた感性の扉が、ぱくっと開くかもしれません。
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