美術館ビギナーにおすすめ!ロンドンナショナルギャラリーの見どころ
2020/03/06
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ロンドンに来たならわからなくても行っておくべき!ナショナルギャラリーを紹介します。
入場無料
ナショナルギャラリーは、ヨーロッパの傑作を集めた美術館。
館内を歩き始めれば、必ず誰もが「あ、これ知ってる」「これも知ってる」となる作品ばかりが展示されています。作品を知らない、画家を知らない、美術にまったく興味ないという人でも楽しめる!
驚くのは入場料が無料であること。どんな人にもアートへの門戸を開いている粋な美術館です。では、どうやって運営されているのか?
実は、寄付制度をとっていて、館内のあちこちに募金箱が設置されているんです。そのほか、グッズ販売の収益なども施設維持費にあてられています。
日本の美術館の入場料は1,000円くらいなので、今回は7ポンド入れました。でも来場者のほとんどは無料で楽しむので、無理に寄付する必要はありませんよ。
見どころ①とにかく有名な作品が多い
美術に興味がない人でも楽しめるのは傑作ばかりだから!見ておくべきおすすめ作品を紹介します。
『ひまわり』ヴィンセント・ファン・ゴッホ
実は『ひまわり』は世界に5つ存在します。でも1番知名度が高いのはこれですよね。
色が鮮やかで元気なひまわり、茶色くなったひまわり、もう枯れて腐りかけているひまわりが一緒に描かれていますが、若い時期から成熟期までの人間の行動を表しているそうです。
画家仲間を招くために、イエローハウスと呼ばれる家をアルルに用意したファン・ゴッホは、その家に飾るためにこの絵を描きました。
特に親交のあったポール・ゴーギャンへの思いは強く、絵は友情の象徴だったともいわれています。
<詳細情報>
Must-see paintings『Sunflowers』ページDescription欄より引用
『レディ・ジェーン・グレイの処刑』ポーラ・ドラローシュ
「怖い絵展」で日本に来たこともある超有名作品。
幻のイングランド初代女王が、9日でその立場を追われ処刑される寸前のシーンです。次に処刑されるのを待つ隣の女性は今にも失神しそう!
自分の首が斬られようというのに、処刑台に導かれるまま。黒い背景の中に真っ白なペチコートと肌で表現したのは、無実なのに大きな力の前になすすべのない、17歳の少女の純粋さや非力さです。
ドラローシュは、衣服の赤や茶色の表現がうまい画家だったそう。赤が得意なのに、これから血に染まる床の藁やドレスを象徴的に描いています。
絵が怖いのか画家の性格が怖いのか?見れば見るほどいろんな想像がかき立てられます。
<詳細情報>
Search the collection『The Execution of Lady Jane Grey』ページDescription欄より引用
『睡蓮、日没』クロード・モネ
ジベルニーの自宅の庭を描き続けたモネ。特に睡蓮の池は、いろんな作品が残っています。
鮮やかな緑の庭がモネのイメージですが、これは日没で庭が陰り、全体が黒っぽく表現されています。
時間とともに色を失う植物とは対照的に、ピンクや黄色に染まる夕焼け空。
空の反射で、睡蓮の葉が水面に浮かんでいるのがわかります。この表現によって、水面がまっすぐ平坦であること、また池の深さを伝えているそうです。
<詳細情報>
Search the collection『Water-Lilies, Setting Sun』ページDescription欄より引用
イタリアの美術館とは違って宗教画が多くないのも特徴です。普段の暮らしや自然、テーマのある絵が多いのでおもしろいですよ。
見どころ②絵がデカい
冒頭で、ナショナルギャラリーは天井が高くて広いと紹介しましたが、展示されている作品も大きいものが多いんです。
絵が大きいと、ドレスの生地感や肌の色、奥ゆきなんかがよくわかるので、見てておもしろさを感じられます。
『ひまわり』は、小さいうえに人気で人だかりが絶えないので、ぜひ一生懸命近づいて鑑賞してください(笑)。
常設展
常設展は、ここまで紹介してきたような有名絵画が展示されています。一室一室がとても広く、天井が高くて作品がすごく見やすいです。そして、いろんな作品が混ぜて展示されているので飽きません。
また、展示室の真ん中に大きなソファが用意されています。普通、疲れたら併設のカフェに行くしかない設計の美術館が多いですが、その場で休んだり見たり、を繰り返せるのはかなりありがたいです!
企画展
美術館といえば、そのシーズンごとに異なる企画展があるのも魅力。
この時は「レオナルド傑作の体験」と題し、レオナルド・ダ・ヴィンチの有名な『岩窟の聖母』という作品に焦点を当てていました。
『岩窟の聖母』はこんな作品です。実はこの『岩窟の聖母』、ほぼ同じといえる絵が2枚存在し、もう1枚はルーブル美術館にあります。
何かとナゾの多いダヴィンチ作品ですが、表面塗料の下にあったこの構図が最近の科学捜査によって明らかになり、どのように描かれたのか、今までわからなかった秘密がわかったそうです。
また、作品には「明暗法」という技術が使われています。ダヴィンチは、光と影の効果を巧みに用いていたのだとか。光と影だけで見え方がどう変わるか、体験できる装置がありました。
左と右、まったく同じ人形なのに表情が変わって見えませんか?解説によると、明暗法を使うとよりドラマチックに見せることができるんだそう。
それを踏まえた上で元の絵を見てみてください。印象、違って見えますか?
常設展の場合、ひとつひとつ深く掘り下げることは難しいですが、企画展はある部分に焦点を当ててそれを詳しく紹介するので、アートをちょっとだけ理解できた気分になれます。
一部有料の展示もありますが、企画展もほとんどが無料で見られるのでぜひ見てきてくださいね。
企画展おまけ〜天才ゆえの意味不明な習慣〜
ダヴィンチの企画展は『岩窟の聖母』について掘り下げていましたが、一部、ダヴィンチ自身についての展示もありました。
それがこの黒、白、茶色などいろんな色の箱をパッチワークのように積んだ展示。箱の中をのぞいてみると鏡文字になっています。ダヴィンチは、個人的なメモをとる時は鏡文字を使っていたそうです。鏡で写した時、見やすいように。
数学、建築、工学、物理、天文学、地質学、解剖学などあらゆる学問に精通していたダヴィンチのノートは、いつもアイデアでいっぱいだったといいます。ノートがいっぱいすぎて、あとで鏡で写して個人的なメモだけわかりやすくしたかったのか、頭の中は一体どうなっていたのでしょう・・・。
ナショナルギャラリーの展示はわかりやすい!アート初心者でも、驚きや感動を体験できますよ。
The National Gallery
住所Trafalgar Square, London WC2N 5DN
電話番号+44(0)20-7747-2885
営業時間10:00〜18:00(金曜は〜21:00)
- 旅Pocket 編集部
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