台中にある彩虹村(ツァイホンツゥン)。取り壊されるはずだった場所にあるお爺さんが色鮮やかな絵を描き始め、ここ数年で台中を代表する観光スポットとなりました。今回は、そんなお爺さんと彩虹村のお話です。
台中の彩虹村を救った「彩虹爺爺」
台中は台湾の中央西側に位置しています。現在そこにある彩虹村に、北京語で虹のお爺さんの意味である「彩虹爺爺(ツァイホンイェイェ)」が住んでいます。
お爺さんの名前は、黃永阜(ホァンヨンフゥ)さん。1924年に中国の広東省で生まれ、今年の1月に96歳のお誕生日を祝いました。
「今年94歳では?」と思う人もいるかも知れませんが、台湾の年齢の数え方では、お母さんのお腹の中にいる時から歳を数えるので、生まれた時点ですでに1歳、そして年が明けるとまた1歳を足します。
小さい頃から武術を習っていた虹のお爺さん。台湾に移り住み、軍隊やガードマンのお仕事を経て、今から約30年前に、現在彩虹村がある場所に家を購入。
そして2010年、政府の再開発計画で、その住居地が取り壊される予定だとお爺さんは知りました。
何もすることがなかったお爺さんは、なんと突然ペンキとブラシを手に持って、心の赴くままに家の壁や地面に絵を描き始めたのです。
お爺さんが描いた色鮮やかな絵は、やがて周囲の人々の心を惹き付けました。そして、たくさんの人がこの住居地の保存を望んだことにより、幸いにも取り壊されずに済んだのです。
ここ数年は、日本も含め20を超えるテレビ局が、虹のお爺さんについて報道したこともあり、たくさんの人々に知られるようになりました。
虹のお爺さんが救ったこの住居地は、彩虹眷村(ツァイホンジュエンツゥン)と呼ばれることが多いです。
しかし、眷村とは政府が軍人のために用意する住居地をさし、現在ここはその定義に当てはまらないために、2010年から「彩虹村」が正式な名称として使われています。
「動けなくなるまで描き続ける」ことが原動力
彩虹村には虹のお爺さんと、お爺さんのお世話をする人のみが住んでいて、その家の壁にはお茶目な兵隊さんの絵があります。
お爺さんが絵を描き始めてから10年近くなりますが、時間の経過と共に彩虹村の色があせるので、色を付け足すために今も描き続けています。
毎日だいたい夜8時には就寝。そして、辺りが静まり返って誰にも邪魔をされない、午前3時から4時ごろに起きて絵を描くとのこと。
「動けなくなるまで描き続けたい」と願うお爺さんにとって、毎日動くことが健康を保つ秘訣なのだそうです。
彩虹村での買い物や撮影は住む人に配慮して
彩虹村は常に開放されている状態で、無料で見学できるため、写真を撮りたい時はいつでも訪れることができます。ただ、お爺さんたちが実際に住んでいる所なので、迷惑がかからないように配慮が必要です。
彩虹村の中にあるお店は、8:30~18:00の営業です。屋内のギフトショップは、虹のお爺さんが描いた可愛らしい絵のマグカップ、お財布、エコバッグ、などが数多く売られています。
普段はモノトーンの物を選びがちな私も、見ているだけでハッピーな気持ちになれる絵に完全に心を奪われ、エコバッグとお財布を購入しました♪
屋外にもギフトショップあり、ポストカードなど、お土産で持ち帰りやすいような物を発見。
ここでお爺さんは、やりたい事がある時以外のほとんど毎日、訪れた人々と写真を撮ったり、おしゃべりをしています。
お爺さんが座っている所には、絵を描く時の費用を集めるために、小さなかごが置いてあります。彩虹村を訪れる際には、できるだけ皆で協力したいですね!
午前11時30分から午後1時30分ごろは、お爺さんがお昼を食べたりお昼寝をする時間です。虹のお爺さんに会いたい人は、この時間帯以外で彩虹村を訪れましょう。
お爺さんの絵の魅力
小さい頃から動物好きだったお爺さんが描く絵には、猫、犬、鳥がたくさん登場します。
また、幸せで純真な心を持つ、子どもや若い恋人同士も大好きだと言うお爺さん。
動物達が見守る中、彼が勇気を出して「我們結婚吧(結婚しようよ)」とプロポーズ。めでたく結婚した幸せそうな2人を、心から祝福しているような絵もあります。
彩虹村の場所と行き方
台中駅から彩虹村まではタクシーの利用が便利です。所要時間は約10分、だいたい150TWD(約546円)で行くことができます。
お爺さんの描くカラフルな動物や、幸せそうな恋人同士のたくさんの絵を目の前に、そこにいる全ての人が笑顔になる素敵な場所です。
台湾に旅行で訪れる際、台中は台北から日帰りでも行けるので、皆さんも彩虹村を訪れてみてはいかがでしょうか。
彩虹村
住所臺中市南屯區春安路56巷
電話番号0920-162888、0912-076787
営業時間24時間、年中無休(まれに休みになるので、ホームページで要確認)/お店の営業時間 8:30~18:00
- Luana
- 学生時代はハワイに留学。帰国後は、小さい頃からの夢を叶え航空会社で楽しく働いていましたが、 手に職が欲しくなったので退職しネイリストの資格を取得。 現在は結婚を機に移住した台湾で、息子2人のママをやりながら次の夢に向かってライターをしています。
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