ヒマラヤの山々に囲まれた小さな国、ブータン。幸福の国として日本でも話題になりました。そんなブータンですが、旅行できるようになったのは40年ほど前のこと。
タクツァン寺院とは?
ブータン観光のハイライトと言えば、断崖絶壁に建っているタクツァン僧院。
この国に仏教を広めたと伝えられるパドマサンバヴァが、虎の背中の上に乗って飛んできて、ここで瞑想したという伝説から「虎のねぐら」という意味の「タクツァン」という名が付きました。
崖の上に佇む荘厳な様子がとても美しく非常に人気が高いのですが「本当に登りきれるの?」という不安の声も耳にします。そこで今回、ブータン担当トラベル・コンシェルジュが実際に登ってみた感想をお伝えします!
タクツァン寺院に登るのに必要な7つ道具
私が登った感想として必要だな、と思ったおすすめの装備はこちら。
軽いウインドブレーカーor襟付きの羽織りもの
底に滑り止めのついたorソール裏の溝の深いスニーカー
日焼け止め
タオル
クロス掛けできるor背負えるタイプのバッグ
カメラ
飲み物
四季によって気温が変わるため、春夏の気温が高いときにはインナーは半袖が良いかもしれません。私は12月に登ったので、長袖のインナーを着用しましたがこの時期でさえ歩いていると汗だくになるほど暑くなりました。そのため、脱いでもかさばらないようなウインドブレーカーがおすすめです。
また、襟付きのシャツは僧院に入る際に着用するのが望ましいためです。山の上で礼服とまではいかずとも、敬意の払える服(カジュアルすぎない装い)を用意しておくのがおすすめです。
タクツァン寺院までの実際の道は?
タクツァン僧院の道なりはツルツルしている箇所があり、道幅が狭い場所も多くありました。
登頂途中、お経が書かれたタルチョ(ルンタ)という旗が至る所に掛けられていました。ネパールなどでも目にすることができますが、チベット仏教圏ならではの光景です。
タルチョの中に馬が書かれているものもあるのですが、これはこの馬が風に乗ってお釈迦様の教えを遠くまで届けてくれますようにとの願いが込められているそうです。
青・白・赤・緑・黄と決まった順番で並んでおり、自然界の五大要素である天・風・火・水・地を意味しています。青空にはためく色々はとても綺麗で、何度も目を奪われました。
途中休憩もできる第一展望台に到着!
スタート地点から1時間30分ほどで第一展望台に到着です。第一展望台ではお茶を飲んだりご飯を食べたりと休憩することができます。ここからでもタクツァン僧院を見ることができるのですが、まだまだ肉眼で2センチくらいの大きさです。
第二展望台までの道は今までと比べて少し急な場所が多く、裏面がまっ平らのスニーカーだと滑りやすいのでご注意を!第一展望台から第二展望台までは1時間ほど。
待ちに待った絶景ポイント第二展望台に到着!
やっとの思いで第二展望台に到着。こんなに近い距離でタクツァン寺院を眺めることができます!登るのに夢中で気づきませんでしたが、こうして寺院を眺めると、ここが標高の高い断崖絶壁であることを改めて思い知らされます。世界のどこを巡ってもなかなか見ることができない光景です。
私たち観光客はこの角度の展望しか楽しむことができませんが、右に90度移動した場所からも僧院と崖を望むことができます。そこから眺めると、名前の由来となった伝説を証明するかのように虎の顔になっている様子を見ることができます。
2019年現在は、虎の顔になっている様子は僧院の中にある写真でしか確認することができません。
ブータンでは人々の信仰心の深さに触れる体験を
僧院までは200段以上ある階段をのぼって、約30分。疲れた体に堪えますが、僧院のなかで人々が熱心に祈っている姿はこんな大変な思いをしてまでも教えを大事にする、この国の信仰深さに触れる一番の時間になりました。
体力のない私も登り切れましたので、運動経験がある方なら心配ないかと思います。荘厳な僧院を目の前にすれば疲れは吹き飛びますし、達成感の方が大きかったです。
ブータンは、表現できない不思議な魅力がある場所でした。目の前に広がる穏やかな自然やスローペースな人々と触れ合っていると、日ごろ感じる息苦しさから解放された気分になります。
「今あるものを大切にする」というこの国の姿から、自分自身の幸せについて考える貴重な時間になりました。ブータンに興味がある方はもちろん、目まぐるしく過ぎる日々に疲れを感じている方など、ブータンに行って一度深呼吸してみてはいかがでしょうか。
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